元不動産営業がこっそり教える物件探しの心得

物件探し

これから新生活を迎えるべく一人暮らしを始めようとしてる方も多いことでしょう。
その一人暮らしを始めるにあたって、まずは住む部屋(賃貸物件)を探す必要がありますね。
今ではネットで手軽に物件探しできるので、不動産屋へ行かなくてもある程度の物件情報は入手できてしまうもの。新生活に胸躍らせながらネットで物件を探すのはウキウキして楽しく感じるものです。

そんなウキウキ気分なあなたに水を差すようで申し訳ないですが、物件探しを慎重に検討して欲しいというのが私の願いです!

これから一人暮らしを始める若者にとってあまり経験がない物件探し。
ついつい物件の見た目の良さやフィーリングで物件を決めてしまいがちですが、安易に決めてしまうと思わぬ落とし穴にハマってしまいかねません。
そんな落とし穴にハマらないように本記事の『物件探しの心得』を読んで、自分にあった最高の物件を見つけちゃいましょう!

物件探しを慎重に検討して欲しい理由

慎重に物件を探せと言うが、具体的な方法については長くなるので次回記事についてまとめます。
今回は、あなたが自分に合ってない物件に住んでしまった時」のことを想定して、慎重に探した方がよい理由について述べたいと思います。
あなたが最高の物件に巡り合うために一旦冷静になっていただきたいというのが狙いです。

  1. ストレス
  2. お金
  3. 時間やエネルギー(労力)

上記3つの理由からですが、詳細は下記にまとめました。
最悪な事態を想定し、「慎重に検討せねば」と気を引き締めていただければと思います。

ストレス

自分に合っていない物件というのは住み心地が悪くストレスを感じるものです。
ストレスの原因は十人十色でしょうが、「隣の部屋の音がうるさくて眠れない」「実際に物を置いたら部屋が狭く感じる」「業者引取りでなくゴミ出しが不便」など色々挙げられます。

ただでさえ仕事でストレスを感じるのに、自分の家にいる時くらいはストレスから解放されたいですよね。

お金

上記のストレスを解消するべく引っ越しを検討するかと思いますが、そこで問題となるのが金銭面です。
移り住もうと思っても「引っ越し費用+初期費用(仲介手数料、礼金など)」がかかってしまい、どんなに低く見積もっても最低10万円以上は必要となります。だいたい20万円くらいはかかると思っておいた方がよいでしょう。

あなたが20万円以上稼ぐのにどれだけの時間を労働に捧げなければならないでしょうか?
そう考えたら少しは慎重に物件を探した方がいいと思えてきますよね。

時間やエネルギー(労力)

お金に余裕があってすぐにでも引っ越したいと思っても、引っ越しは意外と時間やエネルギー(労力)が必要です。引っ越し自体は当然業者に任せるんで楽チンなんですが、ここで指してるのは引っ越し前後の作業のことです。

いざ引っ越し用の荷物をまとめる際に気付くのですが、意外に細かい日用品や雑貨が多いこと。(私だけかもしれませんが)
そこで一度断捨離することになるでしょう。断捨離も簡単に済めばよいのですが、次の移住先に持って行くべきか悩みどころが多くなかなかスムーズに進まないものです。

そして次の移住先に持っていくものを梱包しなくてはなりません。そして一度梱包したのに今度は新たな移住先ではそれを開梱して設置とまあまあ大変な作業です。

文章にするとそんな大変な作業には思えないかもしれませんが、結構時間やエネルギーを消費して面倒臭く感じてしまいます。

物件探しの心得

慎重に物件探しをする理由がわかったところでいざ物件探しをする訳ですが、そこで注意事項があります。
それを『物件探しの心得』として、下記にまとめました。

  1. ある程度の妥協は必要
  2. 優先順位をしっかり決めよう
  3. 物件に惚れ込むな
  4. 見栄を張るな

この『物件探しの心得』は、私自身今まで5件移り住んできた経験や不動産賃貸の営業経験、また友達やお客さんの失敗談をまとめたものであります。
これはあなたがあまり経験のない物件探しをサポートしてくれるものとなるはずなので、どうか最後まで読み進めてもらえると嬉しいです。

ある程度の妥協は必要

まず最初に言っておかないといけないのは「物件探しであなたの希望条件をすべて満たす物件があるのは稀」だということです。これからの一人暮らしに夢を膨らませてる方に夢がないことを言ってすみませんが、これは事実です。

というのも私は過去に不動産賃貸の営業をしてて、まずお客さんに希望条件を聞くのですが、「よくもまあその家賃帯でその希望条件を満たせると思ったなあ」と心の中で何回も思ったものです。
正直あなたの希望と現実はかけ離れているケースがほとんどです。

たとえそんな希望通りの物件が存在したとしても空いてることはないでしょう。
つまり物件探しとは、空いてる物件もしくは空き予定の物件の中から選ばないといけないということであります。空いてる物件は空いてるだけの理由があります。
なので物件探しにはある程度の妥協はどうしても必要になってしまうことを念頭に置きましょう。

優先順位をしっかり決めよう

先ほど妥協は必要とは言いましたが、全部が全部妥協しろと言ってる訳ではありません。

まずは絶対に譲れない条件を2~3個に絞りましょう。
それは家賃なのか部屋の広さなのかはたまた間取りなのか、自分が家に対して何を求めてるのかによって違ってきます。さらにはどのくらいの家賃で、どのくらい広さで、どんな間取りなのかより明確にしておくとよいでしょう。

そしてその他の条件については優先順位をしっかり決めておき、妥協できる条件が何なのかはっきりさせましょう。この軸がぶれてしまうと物件探しの落とし穴にハマってしまいかねません。

物件に惚れ込むな

この「物件に惚れ込むな」というのが物件探しで一番心得て欲しい項目です!
つまりは物件探しにおいて一目惚れは厳禁だということです。

これは私自身の経験なのですが、物件のキレイさやカッコイイ設備など一度惚れ込んでしまうと冷静な判断ができなくなってしまいます。ちなみに私が惚れ込んだ物件は下記のような魅力的な特長がありました。

  • 築浅でキレイ
  • エアコン・風呂などの設備が新しい
  • 部屋の柱がコンクリート剝き出しでオシャレ
  • ロフト付き
  • 鍵はホテルのようなカードキー

こういう魅力的な物件に出会ってしまうと実際にこの部屋に住んでみたいという気持ちが抑えきれなくなってしまうから怖いものです。

かなりその物件に惚れ込んでいたものの一旦冷静になって考え、なんとかその物件を断念することにしました。断念した理由は以下の通りです。

  • 上記の特長は私にとって優先順位が低いものばかりだった
  • 家賃が予算を少しオーバーしてた
  • 部屋の広さが6畳と狭かった

私自身は家賃と部屋の広さは優先順位が高かったので断念するのは当然と言えば当然なのですが、一度惚れ込んでしまうとそのくらい冷静な判断ができなくなってしまうものなのです!

なんなら最後の最後まで「少しくらい予算オーバーしてもいいか」とか「部屋が狭くても多少は我慢できるかな」とか考えてたくらいですからね(汗)
優先順位が高いものを妥協しようとしてた訳ですから今考えると本当に恐ろしい思考です。

そしてこの経験から物件に惚れ込んだ場合に陥る現象を下記にまとめてみました。

  1. 冷静な判断ができなくなる
  2. 惚れ込んだ物件の良いところばかり見えて悪いところが見えなくなってしまう
  3. 自分の中の優先順位が狂ってしまう

好きな人に惚れた時と同じように、一度物件に惚れ込んでしまうとその物件の良いところしか見えなくなってしまうんでしょう。「恋は盲目」とはよく言ったものです。

なので一度惚れ込んでしまった際は、時間を置いて冷静に考えれるようになるのを待つのが賢明です。
冷静になって考え、自分が決めた優先順位は守られてるかどうか確認し、本当に自分に合ってる物件なのか見極めましょう。

見栄を張るな

前項の『物件に惚れ込むな』の続きになりますが、あなたが惚れ込むような物件は総じて家賃が高いケースがほとんどです。
そして家賃が高いというのは毎月の固定費が高くなってしまうことを意味します。つまりは固定費が高くなることで、食費・衣服代・趣味にかける費用などの変動費に使えるお金が減ってしまうことになる訳です。

物件に惚れ込むと、ついそこに住んでみた時の優雅な生活を想像しがちです。
私なりの予想ですが、だいたい下記のようなことを想像してると思います。

  • 良いマンションに住んでると友達に羨ましがられる、優越感に浸れる
  • リッチな気分を味わえる
  • 気に入った物件なのでモチベーションが上がる

このような想像をすることで「周りから良く思われたい」などの承認欲求を刺激してしまい、冷静な判断ができなくなってしまうのでしょう。

確かに住み始めた時はこのような効果が得られると思います。
ただ住み続けてしまうとその効果は半減してることでしょう。というのも食費・衣服代などに使えるお金が減ってしまってる分、生活そのものが少し貧しくなっているのでリッチな気分は味わえなくなるし、モチベーションも上がらないはずです。

一般的に家賃(共益費込み)は手取り月収の30%以内にするのが望ましく、最近のファイナンシャルプランナーの意見では25%以内が適切なんて意見もあるくらいです。

  手取り月収  適切な家賃
(手取り月収の25%)
適切な家賃
(手取り月収の30%)
18万円4.5万円5.4万円
20万円5.0万円6.0万円
22万円5.5万円6.6万円
24万円6.0万円7.2万円
26万円6.5万円7.8万円
28万円7.0万円8.4万円
30万円7.5万円9.0万円
表:手取り月収と適切な家賃

表を見る限り都心部に住んでる人ほど家賃を手取り月収の25%以内にするのはなかなか厳しいように思えます。なので家賃は手取り月収の30%以内にするのが妥当でしょう。

結論として何が言いたいかというと、決して家賃が低いところに住めと言っている訳ではなく、見栄を張らず、自分の収入と照らし合わせて、身の丈に合った家賃の物件に住むべきだというです。
そうすることで自ずと自分に合った最高の物件に巡り合えることでしょう。

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