冬のガス代を見て、ビックリした方も多いのではないでしょうか?
私自身、昨今の値上げラッシュにより、ある程度は覚悟してたものの予想以上の出費でショックでした。
そうなると節約に意識が向く訳で、ふと疑問に思います。
「お湯(給湯器)の設定温度を1℃変えると、ガス代はどのくらい違うのか?」と。
あくまで一人暮らしを前提としますが、結論付けるとこうなります。
設定温度を1℃上げる(下げる)と、1ヶ月のガス代は500mlのお茶1本分くらい上がる(下がる)
計算方法は思ったより簡単でした。
では具体的にどのように算出されたのか見ていきましょう。
ガス代を計算する前に
まずガス代を計算する前に前提条件を下記にまとめました。
給湯器は、一般的な賃貸マンションで使用するものを想定してます。(最新の高効率の給湯器ではない。)
- 直接加熱方式の13A都市ガスの給湯器
※一般的なガス給湯器 - 一人暮らし且つ一日一回の入浴
- 冬場(1~2月)の大阪
- 給湯器の設定温度:40℃、41℃、42℃
想定してるのはあくまで私の家、私の生活スタイルです。
お風呂場の雰囲気や給湯器などの詳細を知りたい方は、下記の記事をご覧ください。
ちなみに家庭に供給されるガスは「都市ガス」か「プロパンガス(LPガス)」のどちらかです。
原料自体が全く異なるものなので料金自体にも違いがあり、プロパンガスの方が使用料金は高くなってしまいます。
自分の家に供給されてるガスが、どちらのガスなのか見分ける方法は簡単です。
家の周辺に下記写真のようなガスボンベが設置されていたら「プロパンガス」で、設置されてなかったら「都市ガス」となります。
水の温度
ガスの熱エネルギーによって、水をお湯に変えるのはご存知だと思います。
ガス使用量を算出するのに、水の温度を把握しておく必要があります。
ガス使用量=お湯の使用量 × (お湯の温度-水の温度) ÷ 0.8 ÷ 11,000
測定結果は、水の温度8.7℃(外気温2.8℃)でした。
小数点は省いて水の温度を「9℃」とします。
ちなみに冬のガス代が高いのは、上記計算式からわかる通り、水の温度が低いのが原因です。
お湯の使用量
お湯を使用するのはどんな時か?
朝顔を洗う時、皿洗いする時、お風呂に入る時などが挙げられます。
ただお風呂に入る時が圧倒的に使用量が多いので、「1日のお湯の使用量≒お風呂の使用量」として考えます。
さらには「お風呂の使用量=浴槽の使用量+シャワーの使用量」として計算していきます。
湯舟に浸かる分の浴槽の使用量について考えていきます。
ちなみに半身浴ではなく、肩まで浸かる全身浴を想定した使用量です。
浴槽サイズは「50×98×H48㎝」ですが、実際の湯舟の水位を測定したところH33㎝だったので、浴槽の使用量約160Lとなります。
体や髪を洗う際に使用するシャワーの量について考えていきます。
シャワーの使用時間は人それぞれですが、長くても10分くらいだと思うので、今回は10分とします。
シャワー(お湯使用時)の流量を測定したところ約8L/minでしたので、シャワーの使用量は約80Lとなります。
上記2点よりお風呂の使用量は約240Lなので、1日のお湯の使用量は約240Lです。
また1ヶ月を30日と仮定すると、1ヶ月のお湯の使用量は約7,200Lとなります
ガス使用量の計算
ガス使用量の計算式
お湯を使用する時のガス使用量の計算式は、下記となります。
ちなみに料理で火を使用する時のガス使用量の計算式は、別の計算式になります。
ガス使用量=お湯の使用量 × (お湯の温度-水の温度) ÷ 0.8 ÷ 11,000
※「0.8」は、熱効率を指す
※「11,000」は、ガス1㎥辺りの発熱量を指す
従来の給湯器だと熱効率は80%くらいが妥当なので、計算式では「0.8」としています。
最新の高効率の給湯器では熱効率90%を超えるものもあり、その場合は「0.9」としてください。
13A都市ガスの場合、1㎥辺り約11,000kcalの発熱量なので、計算式では「11,000」としています。
設定温度別のガス使用量
上記の計算式に、前項で算出した1ヶ月のお湯の使用量「7,200L」を当てはめます。
給湯器の設定温度「40℃」「41℃」「42℃」のガス使用量を算出しました。
7,200L × (40℃-9℃) ÷ 0.8 ÷ 11,000 = 25.3636㎥
よって1ヶ月のガス使用量は約25.4㎥です。
7,200L × (41℃-9℃) ÷ 0.8 ÷ 11,000 = 26.1818㎥
よって1ヶ月のガス使用量は約26.2㎥です。
7,200L × (42℃-9℃) ÷ 0.8 ÷ 11,000 = 27㎥
よって1ヶ月のガス使用量は約27㎥です。
結果、ガス使用量は1℃違うごとに約0.8㎥の差が生まれます。
ちなみに変化率を計算すると、下記になります。
- 設定温度を40℃から41℃へ上げることでガス使用量は約3.15%上昇。
- 設定温度を41℃から42℃へ上げることでガス使用量は約3.05%上昇。
設定温度を1℃上げることにより、ガス使用量は約3%上昇します。
この3%を大きいか小さいか判断するのは人それぞれですが、具体的な金額にしたらいくら上昇するのか見ていきましょう。
ガス代の計算
1ヶ月のガス使用量がわかったので、最後に1ヶ月のガス代について計算していきます。
基本料金+ガス単位料金(円/㎥) × 1ヶ月のガス使用量(㎥)
※ガス単位料金は、原料費調整後のガス単位料金です。
「基本料金」「ガス単位料金」は、契約してるガス会社によって異なります。
今回は大阪ガスの料金表で計算しました。
※2023年2月ガス料金
今回はどの設定温度でも、1ヶ月のガス使用量が20㎥超え~50㎥なので、各料金は以下となります。
- 基本料金:1,364円81銭
- ガス単位料金:182円29銭
1ヶ月のガス使用量によっては、「基本料金」「ガス単位料金」が異なることもあるので注意しましょう。
余談ですが、昨年(2022年2月)のガス単位料金は152円62銭なので、この1年で約20%も値上がりしてます。
どうりで最近ガス代が高いと感じる訳だ
さてここから設定温度別でガス代を計算していきます。
1ヶ月のガス使用量は約25.4㎥なので、1ヶ月のガス代は約5,995円です。
1ヶ月のガス使用量は約26.2㎥なので、1ヶ月のガス代は約6,141円です。
1ヶ月のガス使用量は約27.0㎥なので、1ヶ月のガス代は約6,287円です。
まとめ
以上のことをまとめると、下記になります。
設定温度 | 40℃ | 41℃ | 42℃ |
ガス使用量 | 25.4㎥ | 26.2㎥ | 27㎥ |
ガス代 | 5,995円 | 6,141円 | 6,287円 |
- 設定温度を40℃から41℃へ上げると、ガス代は146円上昇
- 設定温度を41℃から42℃へ上げると、ガス代は146円上昇
季節やガス会社によって、上記の金額は異なってきます。
ただおおよその金額を把握したいでしょうから、下記のように結論付けたいと思います。
お湯(給湯器)の設定温度を1℃上げると、1ヶ月のガス代は500mlのお茶1本分くらい上がる
オススメ記事